埼玉大学 総合研究機構 環境科学研究センター

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komatsu@mail.saitama-u.ac.jp

持続可能な水利用を実現する革新的な技術とシステム

地圏熱エネルギー利用を考慮した地下水管理手法の開発
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◆研究実施計画◆

研究代表グループ(小松,他)

<初年度>
 初年度は,主に地圏熱利用時における物質・熱動態観測モニタリングのための準備を行う.研究グループBの協力のもと,農地Bを主な対象サイトとする.同サイトでの観測井を用いた地下水中の溶質成分(重金属・有機汚濁成分等)の分析方法を確立する.さらに,不飽和帯における物質・熱動態観測用として,地圏熱利用システム用ボーリング孔周辺に,ガス(大気組成,メタン等)採取管,土壌水採取管,水圧・気圧計を異なる深さに埋設する.地圏熱利用開始前の初期環境条件を測定する.

<2,3年度>
 地圏熱利用システム(GHP, GSS, AHS)を導入時の地温・水温変化,地下水中の溶質動態,不飽和帯における水・ガス・溶質動態モニタリングを開始する.さらに,ボーリング孔を設ける際に採取した試料を用いて室内カラム実験を行い,地下水位変化や地温/水温変化に伴う物質・熱動態を再現する.地圏・熱動態に影響を及ぼす因子を明らかにし,地圏熱利用システム使用時の地圏中の環境影響物質(重金属類,有機汚濁物質,メタンガス,硫化水素等)動態を制御するための工学的アプローチ(例えば地下水位制御や環境に配慮した重金属固定化剤の注入等)を検討する.

<4,5,最終年度>
室内試験で用いた試料を用いて地盤内の物質・熱動態を規定する物質・熱輸送係数(透水係数,ガス拡散係数,熱伝導度等)を測定し,地盤の物理的性質(土壌の種類,水分条件等)および地圏の熱環境(地温)を考慮した物質・熱輸送係数予測式を構築する. 最終年度では,各研究グループの研究成果を統括する.開発する地圏熱ポテンシャル量評価手法を用いて,都市域および農地を対象とした場合の地圏熱利用システム(GHP, GSS, AHS)を導入時の地圏熱利用可能量を試算するとともに,地圏/地下水中における熱環境,水・ガス・溶質動態ならびに深部微生物(活動)に与える影響を予測する.また,地圏の生物多様性を維持し,地圏の熱攪乱によるメタンガスや硫化水素ガス発生,重金属類等の有害な汚染物質挙動を制御するための,安全・安心で低環境負荷な地圏熱/地下水利用・管理法についての指針を作成する.

 

共同研究グループ@(大西,他)

初年度:微生物対応ボーリング孔(農地)を用いて,微生物を含む深部土壌を微生物撹乱のないまま採取し,これに含まれる微生物を選択的あるいは非選択的な条件で培養する方法を確立する.また,環境DNAを抽出・分析することで試料土壌に含まれる微生物(真正細菌・古細菌)叢を分析する方法を確立する.

2,3年度:前年度の農地土壌と比較すべく都市域でもボーリングを行い,同様の分析を行う.地下水微生物叢を経時的に分析し,地圏熱・地下水利用に伴う微生物生態系の変化およびサイト間が相互に与える影響を経時的に観測する.また,サンプリングされた土壌あるいは地下水より,現在,環境・地下水汚染で問題になっている有機塩素化合物を代謝分解する細菌の単離同定を試みる.

4,5,最終年度:引き続き観測を行うとともに,対象地のいずれかのサイトを選んで,近隣にもう一度ボーリングをして土壌微生物叢を比較することで,ボーリングによる撹乱や地圏熱利用が,その場所の土壌生態系にどのような影響を与えたかを解明する.以上の研究を継続することで,これまで全く調べられていない地下水/地圏熱利用が環境微生物に及ぼす影響を明らかにする.また,地下水・深部土壌からバイオレメディエーションに利用可能な新たな細菌種を分離できる可能性もある.

 

共同研究グループA(竹村,他)

初年度:地下水の持つ地圏熱ポテンシャル量を評価するため,現状では開発途上であるボーリング孔を利用した熱物性評価装置の開発を行う.開発した装置を検証するためのボーリング孔を都市近郊の農地および都心部の2カ所で掘削し,当該地の地圏熱ポテンシャル量の評価を行う.また地下水の揚水やヒートポンプに使われる循環ポンプの稼働に使われる電力をその場で得るための小型の高効率発電装置の開発を行う.

2,3年度:地下水の流量と地質構造に規制される地圏熱ポテンシャル量の評価を行うため,ボーリング孔から面的な熱物性を測定する手法(地下水平方向熱量測定装置)の開発を行い,既存のボーリングデータベースを活用し精密な3次元地質構造のモデル化を行う.また,複雑な地質構造を持つ都心部(23区内)と,より単調な地質構造を持つ農地にて地圏熱ポテンシャル量の評価と地質構造モデルの検証を行う.

4,5,最終年度:2つの実験サイトの観測結果から,地圏熱ポテンシャル量の持続性の評価を行う.農業地では地下水の持つ地圏熱をより効率的に使うためにシステムの,また,都心部ではヒートアイランドの発生状況と精密な3次元地質構造モデルを背景とした地圏熱ポテンシャル量マップから地圏熱を利用することでヒートアイランドの抑制が最大限に引き出せる地域を決定するためのシステムの開発を行う.

 

共同研究グループB(斎藤,他)

初年度:東京農工大学FM府中内(表1)の地質構造が単純な地点にてGHP, AHS,GSSに対応したボーリング孔と,その地点から離れた場所に排熱および地下水還元・涵養用のボーリング孔を設置し,それぞれ内部に地中変位計を設置する.また,それぞれ周囲に観測用ボーリング孔を四本設置し,モニタリング用に孔内に温度センサー等を任意の深さに設置する.

2, 3年度:ボーリングサイトにおいてまず熱応答試験を実施し,不撹乱試料から得られた熱物性値と比較を行う.その後,ボーリング孔周辺の地中レーダ探査によって3次元地質構造を求め,揚水試験により水理特性を同定する.地圏熱の利用,排熱,蓄熱,地下水揚水・還元に伴う地下水・熱環境変化が,地圏環境に与える影響をモニタリングする.その他,不撹乱および撹乱試料を用いて,熱特性・水理特性・力学特性の温度・水分依存性を測定し,水分・温度の変化および地盤の変位をシミュレーションするためのプログラムの開発を行う.

4.5,最終年度:地圏熱利用による地圏・地下水(物理特性,力学特性,物質移動特性)への長期の影響を数値シミュレーションにより評価する